あなたは 番目の訪問者です。(ogino作成共通カウント)
直線上に配置
兵庫の旅と歴史
兵庫の旅    加西市

一乗寺
いちじょうじ
兵庫県加西市坂本町821−17
Tel 0790-48-2006


 法華山一乗寺は姫路の書寫山円教寺とともに、播磨屈指の西国観音霊場として知られる天台宗のお寺です。播磨天台六山(他に円教寺、八葉寺、神積寺、随願寺、普光寺)の一画も担い、西国33所観音霊場の第26番札所としても知られています。
 寺伝によると、大化5年(649)孝徳天皇の病気を加持祈祷し治癒させた法道仙人が、翌年の白稚元年(650)に一宇を創建し、天皇が行幸し法華山一乗寺の山号を賜ったとされています。
 聖武、孝謙、仁明天皇の勅願寺となり、永延元年(987)、一乗寺に立ち寄った花山法王は「春は花 夏は橘 秋は菊 いつも妙なる法の華山」と詠まれています。正中2年(1325)、後醍醐天皇の勅により大講堂が建立され、元弘3年(1333)には荘園が寄せられています。
 大永3年(1523)、山名氏の兵火で堂宇は焼失し、地蔵院永厳が赤松義祐の帰依を得て再建しました。元和3年(1617)に本堂、鐘楼などを焼失しましたが、姫路藩主本多忠政が再建しています。3代将軍徳川家光からは朱印112石を賜っています。
 奈良、平安時代に最も隆盛したお寺ですので数多くの価値のある文化財があります。境内の三重塔や絹本著色聖徳太子及び天台高僧像は国宝に指定され、金堂、護法堂、妙見堂、弁天堂、石造五輪塔、多くの仏像などが国の重要文化財に指定されています。


 常行堂の奥の石段を上ると左手に国宝の三重塔があります。日本国内屈指の古塔で、平安時代末期の承安元年(1171)に建立されています。昭和16年(1941)から2年間かけて行われた解体修理の時、相輪の根元に据えられている伏鉢(ふくはち)から承安元年の銘が発見され、年代が特定できる最古の塔であることが判明しました。
一乗寺三重塔
 三重塔は高さ約21.8m、三間、本瓦葺きの三重塔です。塔頂には唐草文様の透かし彫りが施された水煙が印象的な相輪が天を仰いでいます。この相輪の高さは約7mもあり、三重塔の高さの3分の1を占めています。三重塔の屋根は、上に行くほど小さくなるように造られおり、安定感のある優美な塔にみせています。三層の幅は、初層の半分近くまで減少しているそうです。日本でも10指にはいる古塔で、昭和27年(1952)に国宝に指定されました。
一乗寺三重塔相輪
 塔の中央間には板戸が入り、その脇間には格子間に隙間の無い盲連子(めくられんじ)がはめられています。軒は二軒(ふたのき)の繁垂木(しげだるき)で、組物は三手先(みてさき)です。中備(なかぞえ)には、三間ともに蟇股(かえるまた)が入れられています。蟇股は平泉の中尊寺金色堂と同様の平安時末期建築の特徴がうかがえます。
一乗寺三重塔

 一乗寺の金堂は本堂にあたり、大悲閣とも呼ばれます。三重塔の直上の階段を上ったところに建てられています。間口9間、奥行8間、入母屋造り、本瓦葺き、斜面にせり出した懸崖造りです。内部は広い外陣と、閉鎖的な内陣、脇陣、後陣で構成されています。昭和58年(1983)に国の重要文化財に指定されました。
一乗寺本堂
 現在の金堂(本堂)は法華山諸堂記に、寛永5年(11628)に姫路藩主であった本多忠政が再建したと記されています。内陣には三間の大厨子を置き、中央の間に秘仏の本尊聖観音立像(国指定重要文化財)、左右の間には不動明王と毘沙門天像を安置し、厨子外の左右には二十八部衆と風神・雷神像を安置しています。
一乗寺本堂

 一乗寺の鐘楼は金堂の横に、寛永6年(1629)に建てられています。間口3間、奥行2間、入母屋造り、本瓦葺きです。袴腰があり、上層部には高欄が廻っています。昭和43年(1968)に兵庫県の文化財に指定されています。
一乗寺鐘楼
 組物は出三ツ斗、大斗肘木(だいとひじき)を用い、江戸時代初期頃の特徴を示しています。破風板(はふいた)、懸魚(けぎょ)などは補修されていますが、全体の姿体は比較的整っていて、木造建築物としての優雅さを誇っています。
一乗寺鐘楼

 一乗寺の護法堂は本堂の裏手の石段の上に建てられています。一間社、隅木入春日造り、檜皮葺きの小規模な社殿で、鎌倉時代後期に建てられたと推測されています。正徳6年(1716)の修築棟札とともに、大正2年(1913)に国の重要文化財に指定されています。
一乗寺護法堂

 本堂裏手高台に建つ一乗寺の弁天堂はの妙見堂の左にあります。一間社、隅木入春日造り、檜皮葺きの小規模な社殿で、室町時代中期に建てられたと推測されています。正徳6年(1716)の修築棟札とともに、大正2年(1913)に国の重要文化財に指定されています。
一乗寺弁天堂

 一乗寺の妙見堂は室町時代後期に建てられた建物で、本堂裏手高台にある弁天堂の右にあります。檜皮葺き、浜床付の三間社流造りの社殿です。妙見堂は正徳6年(1716)の修築棟札とともに、大正2年(1913)に国の重要文化財に指定されています。
一乗寺妙見堂

 境内入口に高さ2.9mの石造笠塔婆があります。鎌倉時代末期の正和5年(1316)に造られたもので石英祖面岩製です。昭和48年(1973)に兵庫県の文化財に指定されています。
一乗寺石造笠塔婆

 常行堂は境内入口から最初の石段を上った左側に建てられています。常行三昧の行を修するための天台宗における堂で、聖武天皇の勅願によって建てられたそうです。現在の建物は明治元年(1868)に再建されたもので、間口5間、奥行5間、本瓦葺きの二重宝形造りです。
一乗寺常行堂

 宝物館の近くに加西市のふるさとの樹に指定されている一乗寺のスギがそびえています。高さは33mで幹廻りは4.4mあります。
一乗寺のスギ


兵庫の旅と歴史へ  旅と歴史トップページへ 


直線上に配置

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送