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京都の旅と歴史
京都の旅    乙訓郡大山崎町

宝積寺
ほうしゃくじ
京都府乙訓郡(おとくにぐん)大山崎町大字大山崎字銭原1
Tel 075-956-0047


 天王山宝積寺は天王山の中腹にある真言宗智山派のお寺です。神亀元年(724)、行基が山崎橋という対岸八幡への往来の橋を建てた際に、橋寺として創建した「山崎院」の後身といわれています。竜神が伝えたという打出と小槌があることから「宝寺」(たからでら)とも呼ばれています。
 長徳年間(995-999)に寂昭が中興しています。俗名を大江定基といい、最愛の女性を亡くし出家した人で、今昔物語集に収められている説話で知られています。建仁2年(1202)、藤原定家も宝積寺を訪れたことが日記「明月記」に記されています。
 貞永元年(1232)の火災で全山焼失しました。天正10年(1582)、天王山が羽柴秀吉と明智光秀が戦った山崎の戦いの主戦場となり、宝積寺には秀吉の本陣が置かれました。勝利した後も天王山の山崎城(宝積寺城、宝寺城とも)を改修して、翌年大坂城に移るまで本拠地にしました。
 元治元年(1864)、久留米藩士で尊皇攘夷派の真木和泉守は、脱藩浪士を率いて、禁門の変の長州軍側に加わります。長州軍の京入りに合わせ、300名が船に分乗、淀川を上り、山崎の天王山、離宮八幡宮、大念寺、宝積寺に布陣しました。
 山崎に陣どった真木、久坂玄瑞らは向日町、物集女、桂方面に出撃しましたが敗れ、長州軍は総くずれとなり、真木以下、17名は天王山に踏みとどまり、しんがりをつとめ、全員割腹自刃しました。十七士の墓は、宝積寺にありましたが、明治元年(1868)天王山の山頂近くへと移されています。
 秀吉が一日で建てたと伝えられる三重塔は国の重要文化財に指定され、本堂、仁王門は京都府登録文化財、石造五重塔は大山崎町文化財です。本尊の木造十一面観世音菩薩立像をはじめたくさんの仏像などが国指定重要文化財です。本堂左横の「小槌宮」に大黒天が祀られ、打出と小槌もこの堂に祀られています。


宝積寺仁王門
 宝積寺の仁王門は切妻造り、本瓦葺きの三間一戸の重厚な門です。京都府有形文化財に登録されています。仁王門に安置されている彩色された寄木造りの2体の木造金剛力士像は国の重要文化財に指定されています。阿形(那羅延金剛力士)像は284.2cm、吽形(密迹金剛力士)像は277.5cmと大きなものです。
宝積寺仁王門

宝積寺三重塔(国重文)
 宝積寺の三重塔は参道の右側の奥にあります。大日如来坐像を安置しています。羽柴(豊臣)秀吉が山崎の合戦で亡くなった武将を弔うため一晩で建立したといわれています。高さ19.5m、本瓦葺きの三重塔婆で、慶長9年(1604)に室町時代の和様復古調を踏襲して建てられました。国の重要文化財に指定されています。
宝積寺三重塔

宝積寺本堂
 宝積寺の本堂は入母屋造り、単層、本瓦葺きで、慶長11年(1605)に改築された建物です。京都府の有形文化財に登録されています。内陣の厨子に本尊十一面観音立像を安置しています。仏師・院範(いんぱん)、院雲(いんうん)が天福元年(1233)に造った像で、国の重要文化財に指定されています。
宝積寺本堂

宝積寺閻魔堂
 宝積寺の閻魔堂は本堂の右にあります。ここには、木造閻魔王坐像、木造司録・司命坐像2体、木造倶生神坐像、木造闇黒童子坐像を安置しています。いずれも鎌倉時代の作で国の重要文化財に指定されています。天王山西麓の大阪府島本町にあった西観音寺にあったもので、同寺が廃寺になったため宝積寺に移された仏像です。
宝積寺閻魔堂

宝積寺石造五重塔
 宝積寺にある石造五重塔は鎌倉時代に造られた聖武天皇の供養塔です。五重塔として建てられ、その後九重に積み上げられました。大山崎町の有形文化財に指定されています。
宝積寺石造五重塔

宝積寺待宵の鐘
 宝積寺の鐘楼に吊るされた梵鐘は「待宵の鐘」と呼ばれています。室町時代の永正16年(1519)に大山崎の松田宗誠から寄進されています。近くには待宵小侍従の碑があることから粋な名になったようです。「待つ宵のふけゆく鐘のこゑきけば あかぬ別れの鳥は物かは」と詠んだことから、待宵小侍従と呼ばれるようになったそうです。
宝積寺待宵の鐘

宝積寺縁結びの桜
 宝積寺の境内には縁結びの桜があります。平成9年(1997)に京都嵯峨野の桜守・佐野藤衛門の苗床より移植したものです。境内には千年桜もあります。
宝積寺縁結びの桜

宝積寺出世石
 宝積寺の境内には「出世石」が残されています。本能寺で織田信長が明智光秀に討たれたとの知らせを受け、羽柴(豊臣)秀吉は急ぎ中国攻めをやめ、山崎まで戻り、宝積寺に布陣しました。秀吉が座して 天下統一を考えたという「出世石」です。
宝積寺出世石



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