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広島の旅と歴史
広島の旅    尾道市

耕三寺
こうさんじ
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553−2
Tel 0845-27-0800
 母の寺として有名な耕三寺はもと実業家で初代住職の耕三寺耕三和上が母の菩提寺として建立した浄土真宗本願寺派の寺です。
山門
 昭和11年(1936)から30年あまりの歳月をかけて造られた堂塔は、国宝建造物を手本として建てられています。山門は京都御所の紫宸殿と同じ様式で、ここをくぐると奈良法隆寺の楼門と同じ様式の中門に出会えます。
山門
 堂塔は飛鳥、奈良、平安、鎌倉、江戸など各時代の建築様式を取り入れています。その内の15棟は国登録有形文化財に指定されています。
 約1万5千坪の寺域の伽藍の配置の特徴は上・中・下三段から構成されています。南北を貫く軸線を中心として左右対称に堂塔が配置されているのです。
五重塔
 中門を抜けると右側に鼓楼、左側に奈良新薬師寺を真似た鐘楼があります。そのまま中心線の先の本堂に向かって石段を登ると中心に五重の塔がそびえています。室生寺の五重塔をコピーしたものだそうです。色が鮮やかすぎて同じようには見えませんでした。
五重塔
 五重塔の右側には近代美術展示館を兼ねた法宝蔵が建っています。大阪四天王寺の金堂を真似たものだそうです。金堂は江戸時代に再建されましたが大阪空襲の際焼失したそうです。
法宝蔵
 この法宝蔵の中には耕三寺耕三が蒐集した潮聲閣コレクションの近代美術部門の名品が展示されています。
法宝蔵
 五重塔の左側には茶道美術展示館を兼ねた僧宝蔵があります。これも大阪四天王寺の金堂を真似ていますが鴟尾のかわりに獅子口を乗せています。
僧宝蔵
 僧宝蔵には耕三寺耕三が蒐集した潮聲閣コレクションの茶道関係の器とか茶器などが展示されています。
僧宝蔵
 五重塔から本堂に向かって石段を登ると孝養門という見たことのある門があります。日光東照宮の陽明門のコピーです。その左右には日野法界寺の阿弥陀堂のコピーの至心殿、信楽殿があります。
孝養門
 耕三寺に参拝にきた人々が極彩色の堂塔を見て「日光のようだ」と言っていたのを耕三寺耕三和上が心に留め、昭和28年(1953)9月に日光陽明門の原寸復元を心に決めたそうです。
孝養門
 その際に実測図面が必要になり文部省に一組あった図面を申請して入手したそうです。工匠を日光に派遣して研究し、昭和29年(1954)1月に造営しました。
孝養門
 木組み、寸法などは陽明門と同じですが、彫刻、金具、彩色などは仏教様式を取り入れ、大正、昭和の名彫刻家が制作に取り組んだそうです。
孝養門
 孝養門より本堂を見ると本当に極楽浄土のように映ります。中国の堂塔を真似て日本で建てられた当時はこんな感じではなかったと思われます。
孝養門より本堂
 本堂は宇治平等院の鳳凰堂のコピーです。入母屋、切妻、宝形などの屋根形、肘木、垂木の大面取や格天井、彩色など藤原時代の手法によっているそうです。
本堂
 中堂の外陣柱を丸柱にして彫刻を施し、翼廊は御名号や絵像を安置するため一層と二層を同じ高さにしています。
本堂
 本尊は方便法身阿弥陀如来立像です。耕三寺は昔、冷泉中納言卿の荘園があったところに建てられているそうです。
本堂
 重要文化財に指定されている釈迦如来座像です。もと奈良興福寺講堂の本尊だったそうです。像の高さは2.3mで流麗穏和な定朝の流れをくむ藤原仏です。
釈迦如来座像
 日野法界寺の阿弥陀堂のコピーの信楽殿です。反対側にある至心殿と同じ造りです。宝形造りで外陣柱や肘木、虹梁などの大面取、内陣の丸柱、板戸など藤原時代の優美な建築様式の特徴を現わしています。
信楽殿
 聖徳堂とも呼ばれる八角円堂です。聖徳太子の御座所であったといわれている奈良法隆寺の夢殿を縮めて復元建立しています。
八角円堂
 我が国最古の多宝塔といわれている近江の国の石山寺のコピーです。昭和16年に建立されたそうです。藻階が方形で塔身は円形です。
多宝塔
 救世観音大尊像です。奈良法隆寺夢殿の本尊を手本として造られました。身の丈10m、台座などを入れますと15mもの大露仏です。
救世観音
 銀閣寺を真似た銀龍閣の近くにある茶祖堂の庭園です。池には錦鯉が泳いでいました。
 耕三寺の境内にある地下霊場の千仏洞地獄峡です。横洞は350mあり、最深部は15mです。昭和36年(1961)に着工し完成まで3年をかかった大工事だったそうです。
千仏洞地獄峡
 浄土宗の祖である源信和上(恵心僧都)の著された「往生要集」を視覚で体感するために造られたそうです。入口は本堂の右手にあり、救世観音大尊像あたりに出てこられるようになっていました。
千仏洞地獄峡
 洞内は富士山と浅間山から運んだ溶岩が積み上げてあり「往生要集」の十界の各場面が表現されています。中には石仏が千体奉納され、地獄絵図がたくさん描かれていました。内部には池や滝もあり、極楽ゾーンには見上げるように仏たちが積み上げられていました。
千仏洞地獄峡
 特別天然記念物に指定されている大山椒魚です。本州の岐阜県以西と四国、九州の一部に生息しています。世界最大の現生両生類なのです。体長は50〜60cmぐらいですが、中には1mを越えるものもいるそうです。餌がなくても1年は生きることができ寿命は100年以上あるそうです。
大山椒魚
 書院の潮聲閣は耕三寺建立発願の源ともいうべき建造物で境内の東北隅に位置しています。書院造を主とした日本住宅と西洋風住宅である洋館とを複合させた大邸宅で、純粋な住宅建築となっています。
潮聲閣
 潮聲閣の名は、これを着工した昭和2年瀬戸田に来遊した貴族院議員の三室戸敬光が選名し、表玄関には同氏の筆による扁額を掲げています。耕三寺耕三が母親のために作った書院で、内部は贅を尽くしています。
潮聲閣

未来心の丘
 5千平方メートルにおよぶ白い大理石の庭園です。丘にそびえ立つ大小さまざまな形をしたモニュメントや広場、道など別世界が展開されています。
 広島県出身の彫刻家、杭谷一東(くえたにかずと)氏が12年の歳月をかけて製作したそうです。白く見えるのは全てイタリアはカッラーラの大理石なんだそうです。

金剛館
 昭和43年(1968)に、指定文化財の展示のため「新宝物館」が建てられ、平成9年にはリニューアルをし「金剛館」に改められました。
 耕三寺には古今東西の名品1900点余りが集められています。
 この中で国指定の重要文化財、重要美術品は55点もあるそうです。興福寺講堂本尊の釈迦座像、北円堂の持国天、伊勢神宮寺の釈迦立像などはとりわけ逸品です。


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